狂犬病の予防注射
1.狂犬病
伝染病混合ワクチンの注射
 1度に8種類までの予防注射が可能
 仔犬の場合は、生後2カ月位から生後3〜4カ月位の間に
 2〜3回の接種を行います。 成犬は毎年1回継続して接種します。
フィラリアの予防
8.フィラリア

  *マークの付いているものは、人間にも感染する病気です

  1.狂犬病 *
生後91日以上の飼い犬が対象で、市町村の役所に蓄犬登録をし、年一回、予防注射を受けるよう法律で義務づけられています。現在、狂犬病に対する治療法はなく、犬も人も発症すれば致死率が100%の恐ろしい病気です。
狂犬病の前駆期は、睡眠障害・陰鬱状態・急に驚くなどの異常行動を呈す症状があらわれます。刺戟期になると、本格的な狂気の状態に陥り、鼻先にあるものに噛みつく・フラフラとさまよい歩く・呼吸困難・しわがれた声で鳴く・尾を下に巻き込むなど、異常な症状がみられます。麻痺期は、刺戟期の症状はなくなるが、筋肉が麻痺するため歩行不能になります。眼は斜視となり、左右の瞳孔の大きさも異なり、脱水症状を呈し、痩せ衰えて死に至ります。

狂犬病ウィルスに感染した犬の唾液から咬傷などによって感染します。

自治体によって、毎年春に「集合注射」を実施しています。また、動物病院で受けることができますが、その場合は、獣医師が発行した接種証明書を保健所に提出して手続きを行います。

 

  2.ジステンバー
くしゃみ・鼻汁・はげしい咳などの呼吸器症状、嘔吐・下痢などの消化器症状があり、食欲不振・高熱などの症状もあります。また、興奮したり、てんかんのような神経症状があらわれ衰弱死する、死亡率が非常に高い病気です。回復した場合でも様々な後遺症に悩まされます。

病犬に接触したり、空気感染や病犬の分泌物に触れたものを介しての間接感染もします。
 

  3.パルボウィルス感染症
突然、はげしい下痢や嘔吐の症状がみられ、食欲がなくなります。進行すると、血便になり悪臭を伴います。白血球減少を特徴とする死亡率の高い病気です。

生存力がとても強く、病犬の吐物や便中に排泄された後も、チリやホコリなどに混じって、約半年も生存します。また、ふつうの消毒や殺菌剤では死滅しません。病原体が口から入り、体の中で増殖することにより感染します。
 

  4.伝染性肝炎

腹痛・嘔吐・下痢・高熱を特徴とする病気で、子犬の場合、1日〜2日で死亡することもあります。重症型では、鼻汁・高熱・腹痛・食欲不振・下痢、・嘔吐などの症状がみられ、回復するにつれ、この病気特有の角膜の白濁が生じます。軽症型では、軽度な発熱・食欲不振がみられますが、肝炎症状もなく回復します。

病犬の唾液・便・尿など、または汚染された食器などから感染します。また、この病気から回復した犬でも、数ヶ月間ウイルスを尿中などに排泄します。
 

  5.パラインフルエンザ(アデノウイルスII型感染症)
パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスU型、ボルデテラ菌、マイコプラズマ菌などの病原菌が混合感染を起こし、一般にケンネルコフと呼ばれている犬の伝染性気管支炎を引き起こします。
発熱・鼻汁・クシャミ・激しい咳など、風邪のような症状がみられます。重症の場合、肺炎になり死亡することもあります。

伝染力がとても強く、病犬との接触、せきやくしゃみから感染します。犬が多く集まるペットショップやドッグショー、ケンネルなどで感染する事が多いようです。
 

  6.レプトスピラ感染症 *
レプトスピラ菌の感染が原因で、肝臓と腎臓が冒される細菌性疾患です。これは人畜共通感染病です。レプトスピラ菌には、粘膜の充血・出血・嘔吐・下痢・血便による脱水症といった腎炎の症状があらわれるカニコーラ型と、カニコーラ型より症状が激しく、黄疸もみられ、重症の場合、発症後数時間から2〜3日で死亡することもある黄疸型があります。

感染している犬やネズミなどの尿によって汚染された土や水や食べ物、また傷口などからも感染します。
 

  7.コロナウイルス
はげしい下痢や嘔吐の症状がみられるウイルス性疾患です。潜伏期は1〜2日で、子犬の場合は脱水症状を起こし、死に至ることもあります。

病犬の便や吐物にウイルスが排泄され、経口感染します。
  

  8.フィラリア

細長い寄生虫で心臓に寄生します。フィラリアは感染しても、すぐには症状があらわれません。食欲不振・体重の減少・呼吸が早い・貧血・咳・血尿などの症状があらわれますが、症状があらわれてからでは遅いのです。

蚊の媒介により感染します。病犬の血を吸った蚊の体内に寄生虫の子どもが入り、蚊の体内で発育し、その蚊が血を吸うときに感染します。蚊に刺されたところから血管を通り、数ヶ月かけて心臓にいくのです。

フィラリアの予防は注射ではなく飲み薬で行います。地域にり異なりますが、蚊の発生1カ月後(通常4月〜6月)から蚊の発生終息1カ月後(通常10〜11月)までの間、毎月1回予防薬の投与をすることによってほぼ確実に予防を行うことができます。
  

       

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